そして自作ラックマウントサーバーをあきらめる

はてながやるなら俺もやるということで、
数か月前から自作ラックマウントサーバーをシャーシ設計から作ってみました。




設計開始当初はこんなんだったのが・・・





最終的に↓の姿へ。




これによって、メーカー製サーバーに比べて、
圧倒的な費用対効果(ローコストでハイスペック)が得られました。
が、サーバー本体のコストは抑えられても、それ以外のコストが実はかかるんです。




まず一番大きなのが、パーツ調達コスト。
1Uのスペースにすべてのパーツ格納が必須となるため、
自作パーツ屋さんで売っている汎用的なパーツでは、高さ制限をクリアできないのです。
特にCPUファンと電源。これらはラックマウント用に設計されているものを選ばないと
いけないのですが、これがなかなか安定供給されない(欠品とか)。
すぐに欲しくても、1週間〜2週間待つことがあたりまえに・・・。




そして、仕様の制限。
現状のラインナップでMicroATX規格でNIC2本装備のマザーはとても数少ないのが現状。
※あるんですけど、高いんです。


そこでPCIボードで追加するのですが、そのまま挿したんじゃ、高さ制限オーバー。
それならばと、ライザーカードを挿すのですが、そうなると他のPCIスロットにかぶってしまい、
もう拡張できない。




このように、1Uという物理的な大きさの制限により、パーツの選択肢は狭まり、
選び抜いたパーツは常に供給される状態でなければ、
サーバー本体のコストに反比例して構築&保守コストがかさむといった状態になるのです。




もちろん、大量同時購入とかすれば何の問題もないんでしょうけど。。
まだ駆け出しの会社では厳しいところであります。



とりあえず、継続的な自作ラックマウントサーバーの開発は停止することにしましたが、
ここまでノウハウを積んできて、終わってしまうのはもったいない感じがしますし、
ささやかな応援コメントを送って頂いた方にも申し訳ないということで、
次になにかできないものか・・・



そういえば、かの有名なpixivさん。
自社内にかかえていたサーバーをデータセンターに移したそうですね。

http://dev.pixiv.net/archives/1140352.html



月間数億PVのシステムを自社内でまかなってたなんてスゴイです。
なので、pixivさんがやるなら俺もやる、ということで


次は自作データセンターに挑戦してみようと思います!

はてなみたいな自作1Uハーフサーバーが完成。


じゃーん。




はてながやるなら俺もやる」ということで、自作1Uハーフサーバーの設計に挑戦してきましたが、とりあえずこの通り形になりました。
はてなさんサーバーと比べて大差ないことが分かると思います。
というか、パクリです。


さてさて、このサーバーの詳細ですが、
イメージしたのは「男的サーバー」
まず、ケース本体はスチールのアルマタイト仕上げ。
写真では分かりませんが、やや輝きを放つブラックです。




ラック用ステー(耳の部分)は分離させ、ステー本体を長めに設計することで
ケース本体を可能な限り広く支えます。これにより、以前のプロトタイプとは比べ物にならないくらい強度が
つきました。そして、ステーの部分は可変式を採用。




ケース厚は1mmでやや薄いですが、各折り返し部分を溶接することにより、
ゆがみに対する強度を持たせています。




前回のプロトタイプでの失敗から、
ネームプレートや、放熱ファン用ステーは、アルミを採用。
これで長期間暖められても歪まないようになりました。
そしてマザーボードの設置位置はケースフロント部から12mmほど距離を置き、
ネームプレートの設置が可能となりました。




そして、こだわりのスイッチパネル。
プリント基板を自作するのが厳しかったので、市販のスイッチ、LEDをそのままはめ込めるようなステーを設計。
取り付けはマザーボードのネジ穴にそのままジョイント可能。

写真では分かりずらいですが、マザーボードに直接接触しないように、専用のワッシャーを作成。
ステー全体は、横から見たときにやや浮いたような感じになります。
ネジ穴一本で止めるため、ブレる可能性を考慮して、マザーボードの側面までステーをかぶらせ、
これを解消。ステー本体も厚めのスチール素材でできているので、かなりの強度を持つことができました。
スイッチはモメンタリー式で、実用性を無視したちょっとした遊び心です。
ケースフロント部とほぼツライチなのでひっかかりはさほどないです。




フロント部の写真↓




別角度からの写真↓



このように、はてなさんを意識して、今回は作成してみました。
ちなみにこのサーバーは、本番サービスに投入予定です。



当初の目標は達成したので、これでクローズしようかと思いました・・・
が、


これでは終わりません。
実際はこのサーバー。もっと改善しなくてはいけないところが多々あります。
そして、ライザーカードを用いて、RAIDカードなどを拡張できるようにする必要もありそうです。
きっとDISKももっと搭載可能なはずです。




と、いうわけで、次からは、新ケースの設計に入っていきますので、どうぞお見守りください。

自作1Uハーフサーバーテスト稼動中。熱問題は意外なところに・・

こんにちわ。

自作1Uハーフサーバーを常時稼動中で、どういった問題が起きるかテスト中です。


何事もなく動ている自作1Uハーフサーバーをボー・・っと眺めていると、
なんだかステーが歪んでいるような錯覚に陥りました。
徹夜の疲れかと思いましたが、念のため確認することに。
※ステーについてはこちらの記事


目だとよく分からないので、ノギスで確認。

あっ・・かなりの勢いで歪んでる・・


原因を調査したところ、
スチールのその性質にありました。


このステーは、スチール板をレーザーで切断して作成されています。
レーザーは、一瞬、高熱で材料を溶かし、溶かした部分を吹き飛ばしながら材料を切断していきます。
なんといえばよいのか分かりませんが、端的にいうと切断面は熱で引き伸ばされた感じになっているわけです。
なので切断面は常に元に戻ろうとする力が働いており、
そこに、常時暖かい熱が加わることでステー全体がやわらかくなり、切断面が収縮してしまったと考えられます。



収縮する力は強力両面テープの比ではないので、
粘着力も収縮した時点で失われてしまっていました。



パーツをシャーシのどこにでも固定できるように、
安易にもステーを両面テープで止めようとしたのが間違いであったようです。


解決するには、アルミ製ステーに変更すればおそらく問題ないと思いますが、
なんか別の方法を考えたいところです。


きっとid:marqsさんも、こういった失敗を何度も繰り返したのでしょう。
また一つ勉強になりました。


※最近、既製品って本当に質が高いんだなぁと関心するようになりましたよ。

スイッチパネルをプリント基板で自作してみる

さて、
自作1Uハーフサーバーケースはとりあえず、置いといて、
スイッチパネルをどうするか考えてみます。

はてなさんの場合、こちらの会社さんで量産したようですね。
http://www.fca-j.co.jp/topics2/topics-2.html


完成品を見ると、やはりプロ。キレイです。


量産できるのであれば、このように業者さんにお願いするのがベストです。
おそらく、値段もかなりお安くなると思いますし。


いずれにせよ、僕は業者さんにお願いする事はできないので
なんとかこのスイッチパネルも自作に挑戦します。
※はっきり言って電気系は苦手ですが・・


とりえあず、はてなさんのスイッチパネルを真似てみることにします。
用意したパーツはこれ↓

これで千円いかないくらい。


まず、LEDを取り付けてみます。
※細かな作業の写真を取り忘れたのでだいぶ作業内容を省きますが、詳細知りたい方はコメント下さい。

抵抗は一つでいいのかな・・




裏はこんな感じです。

長い針金部分はニッパーでカットします。
久しぶりにはんだごてを使ったので失敗して一部焦がしました・・


次はスイッチです。
被ふく部分をはがして、コードを取り外します。

物はリセットスイッチですが、ちゃんと通常のスイッチとしても使えますよ。


そして完成。


テスト稼働中の自作サーバーで試したところ、
すべて正常に機能しました。よかった。


ただ、このプリント基盤は汎用品なので、適切なサイズにカットしなくてはいけません。
また、このプリント基盤剥き出しのスイッチパネルをどうやって自作サーバーケースに固定するのか悩むところです。
それに作業自体は簡単ではあったけど、これを毎回毎回やるのはちょっとキツイです。


LEDとスイッチは既製品がたくさん売っていますし、価格も安いので、
なんとか自作ではなく、既製品を利用したスイッチパネルを作りたいです。


・・・・いろいろ思考錯誤した結果、いい方法を思いつきました。
さっそく作成に取り掛かるので来週の月曜日くらいにお見せできると思います。
お楽しみに!

自作1Uハーフサーバーケースをラックマウントしてみた

Hello。


今回は前回やっぱりフリーレイアウトが魅力的 - 怒涛のSyntax Error公言したとおり、1U自作ハーフサーバーケースをラックにマウントしてみたところを紹介します。


とりあえずパーツをかき集めて、ちゃんとPCとして稼動するようにしました。

じゃん。
パーツの配置はまだ考えてないので適当です。
ステータス用のLEDと電源スイッチ、リセットスイッチは遊ばせたままです。
放熱FANは超強力両面テープで固定してます。ちょっとやそっとの衝撃ではびくともしません。
雑多に見えて、実はIntel Quad Coreです。ちょっぱやです。


このサーバーを会社のデータセンターに持ち込んでみました。
空いているラックをちょっと借りて、マウントテスト。
マウントするヒンジ部分が耐えるかを心配しつつ、ネジ止めしてみます・・・

以外にもしっかり固定されました。(ピンぼけしてすみません)




これはハーフサーバーなので、後ろにもう一つマウントできるはずです。
早速もうひとつのアルミ製プロトタイプで試してみました。

おぉー中央がこんだけ開くとは思ってませんでした。ちゃんと寸法はかったつもりなのに・・
これだけ中央に余裕があれば、ケースの奥行きをあと3cm〜4cmほど拡張してもOKかもしれない。



再度いろいろ計測して、
本番のサーバー群にまじえてマウントしてみます。
スロットイン!

この通り↓

いけそーです。
メーカー製のサーバーに比べると、むきだし状態で、ちょっと安っぽい感じがしますが、
このハンドメイド感が好きでもあります。



このサーバーのスペックは、まだ仕様をFixしていないのであまり詳細は書きませんが、

  • マザーボード : Intel DG41RQ
  • CPU : Intel Quad Core Q8400
  • CPUクーラー : Dynatron P199
  • メモリ : 4GB
  • ディスク : Hitachi 2.5HDD
  • 放熱FAN : 風神 FJ0410S60(チップセットクーラ3発でとりあえず代用してみる)
  • 電源 : Shuttle COM-SPC-500-00L1
  • HDDケース : 汎用的なシリコンケース(2.5HDD用)
  • その他 ATX用電源延長ケーブル ATX用サブ電源延長ケーブル スイッチ類


これでケース別で大体5万〜6万円です。
最低限のパーツしか入れてないので、
はてなさんのサーバーのようにちゃんとしたマシンを組むと、7万〜9万はいくと思います。
でもQuad Coreマシンがこの値段で組めるのはかなりお得ですね。


放熱がちゃんとできているかが一番の心配なので
しばらく監視してエアフローを熟考してみます。



これからはパーツ周りもレポートしていきます。

1U自作サーバーのシャーシでコルク板はダメ

こんにちわ。


前回の記事やっぱりフリーレイアウトが魅力的 - 怒涛のSyntax Errorで1Uサーバーケース内でパーツのフリーレイアウトを可能にするためにコルク板を敷いてみましたが、コルク板は可燃性があるので、データセンタに設置できない事が判明しました。なんというか、当たり前の事です。


別の方法を思いついたので、次回記事にしたいと思います。

やっぱりフリーレイアウトが魅力的

カーバッテリーで動く省電力サーバーを構築中という記事が気になったので、一つ記事を書きたいなと思いました。


アルミのラックに裸状態でマシンを陳列するスタイル、かっこいいですねぇ。見とれてしまいます。
記事を読んで注目したのが、マザボの下に敷いている板。これはおそらく、コルク板ですね。


今、僕が個人的に進めている自作サーバープロジェクトでは、
ラックの集積率の効率化から19インチラックのハーフサイズと決めています。
でも本当は、この方の記事にあるような、フリーなレイアウトがしたいのです。


結局、プロトタイプではマザボードの位置は固定してしまいました。今はちょっと後悔しています。
でもこれであきらめたくないので、試しにコルク板を敷いてみました。


コルク板を東急ハンズで買ってみた。これは薄さ1mm

「コルク板って耐熱性ってあるんでしょうか?」と店員さんに質問したら
「熱いお鍋置いても平気だからあると思います。」との事。
納得した。



このコルク板をMicroATXサイズにカットする。

カッターで簡単に切れます。



そしてプロトタイプシャーシに敷いてみます。

うーん。なんとも色がマッチしていません。
でも、柔軟性があって、そのままマザーボードを置いても問題ないし、
耐熱性(多分200度くらいまで)があるんだから、なんだか最適な素材という気もしてきました。


これは本格的に、コルク板を導入したくなってきました。
コルク板ならどこに置くも自由だし、マザーボードはステーで固定すれば問題ないし。
まさに理想です。


このように先駆者に刺激を受けつつ、理想のサーバー作りを進めていこうと思います。